伊藤塾の明日の法律家講座で
中国に対する戦後責任を考える~『重慶訴訟』を中心に
というテーマの講演会を聞きました。
講師が、前田哲男氏(ジャーナリスト・沖縄大学客員教授)で
各地の講演会などを通し、非核・平和運動に尽力。
アメリカ軍事戦略の批判的論客として著名
「重慶訴訟』を支援する会」の代表も務める。
「在日米軍基地の収支決算」(ちくま新書)、
「自衛隊 変容のゆくえ」(岩波新書)など著書多数
という方です。
前回の東京大空襲訴訟と連続したような企画です。
何が連動しているかというと
どちらも
戦時中の日本政府に対する
戦争被害者(東京市民と重慶市民)への何も
戦後賠償をしていないことと謝罪を求めている裁判ということです。
東京大空襲訴訟に関しては次回書きます。
なぜなら、
歴史的に重慶爆撃(1938年12月~41年12月)があって、
東京大空襲(1945年3月10日)があるわけです。
前田さんの話によれば、
都市を壊滅させる「戦略爆撃」という
戦闘の仕方を確立したのが
この重慶爆撃だそうです。
アメリカがそれまでのヨーロッパの大戦の
中では都市爆撃はしなかったのだが、
この重慶爆撃後に、東京をはじめとする
日本への都市無差別爆撃によって
報復を受けることになるのだと。
日本軍の爆撃を受けた重慶の市街地=1941年8月23日付け『大阪朝日新聞』夕刊1面=「日本空軍が軍事施設を狙った猛爆の跡はまさに地獄絵図である。家屋は爆撃で消滅し、引きつづく猛炎で余すなくやけくずれてしまった。爆撃がやむと避難壕(ごう)から市民の大群が潮(うしお)のように飛び出してくる。市民達はもやは焼土を復興させようといふ気力さえ失(う)せたように見えた」記している。
最近の資料では、この5年半の爆撃による死傷者は6万1300人、
うち死者2万3600人、負傷者3万7700人とされる。
重慶大爆撃は、日本の侵略戦争に徹底抗戦する中国の政府・民衆の戦意喪失
と侵略への屈服を狙った最大規模の無差別・戦略爆撃であり明白な戦争犯罪であった。
(http://blog.goo.ne.jp/dublin-ki/e/be46de1aef1ecb9a97d565f5fbbc1d31)
「ゲルニカの日」から60年経った1997年3月27日、ドイツのヘルツォーク大統領は、
ゲルニカ市と市民に対し、「この残虐な行為の犠牲者は、非常な苦痛にさらされた。
わたしたちはドイツ空軍による爆撃とそれが招来した恐怖をけっして繰り返さない。
いま、両国民の間の和解と将来の平和を呼びかける」と謝罪しました。また、ドレス
デンを壊滅させたイギリスは、2000年の「空襲55周年記念式典」にあたり、エリザベ
ス女王の名代ケント公を派遣して、謝罪と破壊された聖母教会の再建費用負担を申し
出ました。一方、日本政府は、謝罪はおろか事実の認定すらしていません。
日本政府の立場は、
東京大空襲訴訟に対しては、
戦争は「受任論」というもので、
戦争被害を国民等しく
がまんしろというものです。
最高裁昭和43 年11 月27 日大法廷判決(民集22 巻12 号2808 頁)
「戦争中から戦後占領期にかけての国の存亡をかかわる非常事態にあっては、国民の
すべてが、多かれ少なかれ、その生命・身体・財産の犠牲を堪え忍ぶべく余儀なくさ
れていたのであって、これらの犠牲は、いずれも戦争犠牲または戦争損害として、国
民ひとしく受忍しなければならなかったところであり・・・」
また、
中国に対しては、
72年の共同声明や78年の日中友好平和条約にて
中国は日本に対する戦後賠償を放棄していると
いうのが日本政府だとか。
日本政府は
戦争に向きわなければ
いけない。
(参考)
重慶訴訟
http://www.anti-bombing.net/http://blog.goo.ne.jp/dublin-ki重慶爆撃
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/jyuukei.htm東京大空襲訴訟
http://www.geocities.jp/jisedainitakusu/